【アジア杯直前特別寄稿】堂安律「20歳の若武者の素顔」
「もともと勝利のメンタリティーを持っていた」
「今まで誰もなかった色を出したいし、堂安律って選手を見せたい」――。UAEで行われるアジアカップ2019が5日(日本時間6日未明)に開幕。森保一監督率いる日本代表は3日に首都ドバイに到着。トルクメニスタンとの1次リーグF組初戦(日本時間9日午後8時開始)の行われるアブダビに移動し、現地午後5時から初練習を行った。この大会を契機に一気にスターダムにのし上がろうとしているのが、20歳の新エース堂安律(フローニンゲンMF)だ。8年前のカタール2011で優勝した時のMVP・本田圭佑(メルボルンMF)超えを目指す若武者の素顔をUAE現地取材中のサッカージャーナリスト元川悦子氏が探った。
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「ロシアW杯を見て『自分自身、何をしてるんや』と思った。同い年のエムバペ(パリSG=フランス代表FW)やイ・スンウ(ベローナ=韓国代表FW)から刺激をもらった」と語る堂安は「本田の後継者候補」として期待を集めている。
同じ関西人でガンバ大阪ジュニアユース出身同士。同じレフティーだ。
石川・星稜高に進んだ本田とは違い、堂安は順調にユースを経由してトップ昇格を果たしたが、海外の第一歩は、やはり本田と同じオランダ。ビッグマウスが多く、上昇志向が強いところも共通している。
「本田さんとは接点はまったくないです。比較されるのは好きじゃないけど、素晴らしい選手と言ってもらえるのはうれしい」と、あっけらかんとしたところは大器の風格を漂わせる。
「律は小4から西宮SSに入って1学年上のチームに飛び級していましたが、とにかく笑顔が印象的。苦しい時もニコニコしていて悲愴感を一切見せなかった」と島崎久コーチは述懐する。
U―20日本代表時代の内山篤監督(日本サッカー協会技術委員)も「堂安はもともとシュートがうまく、勝者のメンタリティーを持っていた。ただ、時として勝ちたいという感情が判断を鈍らせてしまうことがあった。いろんな話をして、徐々にバランスが改善されていきました」と明かす。