任天堂色は薄れてもマリナーズ経営陣は日本人選手に手厚い
イチロー(45)を筆頭に多くの日本人メジャーリーガーがプレーしてきたマリナーズ。
これまで日本人選手を積極的に獲得してきたのは、共同オーナーだった任天堂の元社長である山内溥氏の意向といわれている。
その山内氏は13年に亡くなり、任天堂は16年に球団株式の一部を売却した。同時に山内氏の右腕だったハワード・リンカーンCEOが退任。代わってジョン・スタントン氏がCEOに就任した。
任天堂は現在も球団株を10%保有しているものの、以前ほど球団経営への影響力はない。任天堂色は薄れ、日本人選手の獲得にも影響するとささやかれたが、今回、それでも菊池を獲得した。
ジェリー・ディポトGMは昨年12月、MLBネットワークラジオに出演した際、菊池の実力を高く評価した上で、「正直に言うとマーケット面もある」と発言。日本人選手を獲得することで得られる利益も魅力のひとつだと認めたのだ。
「依然として任天堂の影響力は残っています。球団社長のケビン・マザー氏は、13年に退任したチャック・アームストロング社長に長らく仕えていて、ア・リーグ最多の観客動員数350万人を記録した01年当時のイチロー効果を目の当たりにしている。ここ数年、マリナーズの観客動員は右肩下がり。14年にはヤンキースで強打を誇り、知名度のあるロビンソン・カノを獲得したが、客足にはつながらなかった。シアトルにおいて、日本はやはり魅力的なマーケットなのです。3月には日本で開幕戦を行うし、菊池に大金を弾んだのも興行面での価値があると踏んだからです」(米国在住スポーツライター)