稀勢の里“ガチンコ横綱”の限界…過信と疲労蓄積で自滅連敗
もう潮時ではないか。
平成最後の初場所で、横綱稀勢の里(32)が初日からあっけなく2連敗を喫した。これで横綱としては貴乃花に並ぶワーストの7連敗である。
■「どこか浮ついた感じ」
2日目の昨14日は逸ノ城と対戦。押し相撲に終始したものの、前に攻め込んだところを引かれて、土俵に転がされた。稀勢の里は両手をついたまま、しばらく立ち上がれなかったほど。まさしくボー然自失の体だった。
初日は立ち合いから左差しを狙うも封じられ、何もできないまま御嶽海に黒星。藤島審判部副部長(元大関武双山)は「(前に)攻めていた分、昨日よりはいい」と話したが、評論家の中澤潔氏は「横綱の相撲ではない」と、こう話す。
「大相撲は番付社会。大関の藤島親方は横綱の相撲を批判できないので、精いっぱいのお世辞でしょう。でも、『前に出たからよかった』なんて、新入幕の力士に対する褒め言葉ですよ。今の稀勢の里にはどっしりした雰囲気もなく、気もそぞろというか、どこか浮ついているようにも見える。この日のように、自分より重い逸ノ城(226キロ、稀勢の里は177キロ)を押し出す力もない。それどころか、体勢を立て直されて引かれてしまった。これではどっちが横綱か、わかったもんじゃありませんよ」