稀勢の里やっと稽古再開…進退かかる初場所に間に合うのか
角界にとっては小さな一歩だが、オレにとっては偉大な一歩――本人はそう思い込んでいるかもしれない。
26日、横綱稀勢の里(32)が久々に相撲を取った。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)によれば、非公開で三段目力士相手に20番取ったという。
「いい稽古だった。明日あたりは(大関の)高安とやれたら」
とは本人の弁。マスコミ各社も横綱の動向を報じたものの、力士が相撲を取るのは当たり前。それがさも重大ニュースのように取り上げられるのだから、情けない限りである。
この和製横綱は史上最長の8場所連続休場という不名誉記録を作ったばかりか、11月場所は初日から4連敗し、途中休場。ようやく今月3日から稽古再開と思いきや、すり足や四股などの基礎運動のみ。1月場所まで20日を切って、ようやく重い腰を上げた。
もちろん、この調子で1月場所に間に合うと思っているのは、当の本人だけ。相撲を取ったといっても相手は三段目。なまった肉体の慣らし運転という程度に過ぎない。ここからいくらペースを上げたとしても、本場所まで20日足らずで肉体、相撲勘ともども完全復活など、虫がよすぎる。
これまでも中途半端な状態で、出ては休場を繰り返していた稀勢の里。稽古順調、体調万全の9月場所でさえ、2ケタ勝つのがやっとだった。一体、何を考えて進退のかかる1月場所に臨むのか。周囲はクビをひねっている――。