稀勢の里“ガチンコ横綱”の限界…過信と疲労蓄積で自滅連敗
初日はあくまで左差しにこだわるも、完封負け。押し相撲でも逸ノ城にうまくあしらわれた。「横綱」という言葉には「もっとも優れたもの」という意味もある。しかし、今の稀勢の里は横綱のイメージをぶち壊しているだけではないか。
■左差しに固執
ある親方は「稀勢の里はおそらく、自分の力を勘違いしている」と、こう続ける。
「我々の間でも、彼は『左差しだけで横綱に“なってしまった”』と言われていた。左を差せば強いが、差せないと極端にもろい。相撲の幅も狭い。これが本当に強い横綱だったら、自分の衰えを肌で感じることもできるでしょう。でも、稀勢の里はそうではない。いつまで経っても『オレは左さえ差せば負けないのに……』と諦めきれないのではないか。左上半身のケガの影響で左のおっつけが使えなくなったことも、そんな思いに拍車をかけている。そもそも横綱になるまで、休場したのは1日だけ。心身とも、たまった疲労はハンパじゃない。体もいうことをきかなくなっている」
相撲協会が八百長騒動に揺れたのは、2011年。前年の野球賭博騒動で押収された力士の携帯電話から、メールで星の売買が発覚し、25人の力士、親方が引退に追い込まれた。以降、土俵から八百長は根絶したと言われるが、稀勢の里は騒動の前から「オレはガチンコだから」と豪語していた。