初なでしこ“叩き上げ”MF松原有沙 W杯へサバイバルの勝算
W杯イヤー初の国際大会「She Believes Cup」が米国で開幕し、なでしこジャパンが初戦(日本時間28日午前9時5分キックオフ)をアメリカと2―2で引き分けた。
世界ランク1位を相手に2度のリードを許しながら、粘りのドローに持ち込んだ。しかもスタメン、途中出場合わせて5人の初代表選手がピッチに立ったのだ。結果としては上出来である。
初代表のひとり、ボランチに入ったMF松原有沙(23=ノジマステラ神奈川相模原)はU―17代表時代、当時コーチだった高倉麻子なでしこ監督の指導を受けたが、その後はユース世代の世界大会から遠ざかっていた。
今回、代表の底上げを図るための「なでしこチャレンジプロジェクト」から、米国遠征行きのチャンスをつかんだ。
168センチの長身。細かいパスをつなぐスタイルのなでしこには珍しく、大きな展開のできるロングボールを武器とする。
センターバック経験者の松原は、アメリカ戦を前に「かなり緊張していた」とはにかむ。立ち上がりの猛攻には一瞬圧倒されたが、次の瞬間に松原が強気のスライディングを仕掛けた。「このカットで吹っ切れた」と松原は、ゴール前で世界トップ級のアタッカーに体ごとぶつけ、ボールを奪う場面も見られた。世界女王のアメリカを相手に「ビビることなくプレーできた」と本人も確かな手応えを口にした。