原監督が描くV奪回切り札「丸2番」巨人OBは懸念材料を指摘
米メジャーでは現在、「2番打者最強論」が主流になっている。2017年に52本塁打、114打点を挙げたヤンキースのジャッジ、33本塁打を放ったエンゼルスのトラウトらがその代表例だ。
「これをそのまま導入しようとしているのが、原監督です。V奪回の切り札として獲得した丸(佳浩=29)に白羽の矢を立て、キャンプでの実戦から固定している。打線はまだ流動的な部分がありますが、2番の丸と4番の岡本だけは決定しています」(チーム関係者)
丸は3日のヤクルト戦でも「2番・中堅」で先発出場。この日は2打数無安打だったが、これでオープン戦全4試合すべてで2番に入った。
「原監督は『今年のジャイアンツは初回に2点を取りにいく野球をする』と公言している。2年連続MVPでリーグ最強打者と言っていい丸の2番起用は、それを実現するための用兵でしょう」
巨人OBの評論家、高橋善正氏がこう続ける。
「当然、従来の2番打者のようにバントをさせたり、進塁打を求めたりはしない。送る、進めるのではなく、(チャンスを)広げる、(走者を)かえす役割を託すわけですが、そうはいっても、打席での丸には制約が生まれる。原監督は同時に機動力重視の方針も掲げ、1番には俊足の吉川尚を抜擢するのが濃厚。吉川尚が出塁すれば、彼の盗塁をアシストするためウエーティングなどをせざるを得ない。甘い球を見送ったり、カウントを悪くしてからの勝負を強いられるケースも増える。丸の2番が機能すれば破壊力のある怖い打線になりますが、懸念材料がないわけではないのです」