毎年ゾロゾロ渡英も予選突破できず 日本人プロの体たらく
76年の鈴木は英国の予選会を通り、本戦の出場権を獲得した。青木は初出場の77年大会は予選落ちだったが、翌78年の会場(セントアンドリュース)を下見。「日本の河川敷にそっくり」と気づき、荒川の河川敷コースでリンクスを想定した転がす練習に取り組み、結果を出した。
■全英に対する思い入れすらない
ところが、今の選手はわざわざ海外の予選会に出なくても、国内予選会や国内ツアー賞金ランク、日本オープン優勝などの資格で「お手軽」に切符を手にできる。それでも本気で優勝を狙う気があるなら会場を下見するなり、出来る限り早めに現地入りして大会に臨むはずだが、そんな選手は皆無に等しい。硬いフェアウエーでもはじかれないようにアイアンのソールを削ったり、クラブセッティングを変える程度で攻略できるほど、本場の荒々しいリンクスは生易しくない。
要するに多くの日本選手は必死で切符を取りに行っているわけではなく、「全英」に対する思い入れもない。だからほとんどの選手は「厳しいコースでした。予選を通過できませんでしたが、また来たいと思います」と、毎年同じようなコメントを残して会場を後にする。