開幕まで1年 JOC山下会長「初仕事はマスコミ排除」の波紋
同様の動きは、実は3年前にもあった。リオ五輪前の2016年1月、一部の理事から「本音での話し合いができない。報道陣を締め出せ」という声が噴出。当時は一部理事の反対があって実現しなかったが、山下会長が同じ理由で再び非公開化を持ち出したのだ。
記者クラブが反発するのは当然だが、しかし、そもそもメディアがJOCを厳しく批判したり追及したりすることは、竹田前会長の一件まで、ほとんどなかった。
東京五輪では、あろうことか朝日、毎日、読売など大手新聞社がオフィシャルパートナーに名を連ね、メディアはすっかり五輪応援団の一員。権力の監視役としての役割も果たさず、牙を抜かれているとしか思えないのが現状だ。
■ナメられているメディア
前出の津田氏は言う。
「記者クラブの反論は受け入れられず、JOCは強行しようとしている。今回のように、記者会の了承なく一方的に非公開が決定されることなんて、本来ならあり得ません。すでに非公開化が決定しているとしたら、今の記者会はナメられているとしか思えない。実際、今回の騒動にしても、JOCの権謀をメディアはどこも取り上げず、結果的に忖度しているとしか思えない。新聞社が自分の媒体で書けないからといって週刊誌に流すとは、情けない限りです。これでは、JOCと記者会との関係も余計に悪化するだけ。また、理事会で話す内容や理事そのものも、すごく低レベルになった。これはJOCではなく、陸連での話ですが、かつては報道陣の目の前で掴み掛からんばかりの激論を交わす理事もいました」
JOCもメディアも、どっちもどっちか。