JOC新会長に山下泰裕氏 政府依存は続くのか、そして力量は
「責任の重さを痛感しております」
そう話したのは、昨27日、日本オリンピック委員会(JOC)会長に就任したロス五輪柔道金メダリストの山下泰裕氏(62)だ。
2020年東京五輪まで1年と迫る中での新体制。「いろんな方々から『絶対に逃げちゃいかんぞ』『腹をくくれ』、そう言われ、推挙されたときは受けようと準備してきた」と話した。発表された役員の中には、前NHK会長の籾井勝人氏の娘で前文部科学省広報室長の籾井圭子氏(47)が選出された。官僚の「入閣」に、スポーツ界への政治介入が指摘されると、山下会長はこう言った。
「全柔連を風通しのいい組織にできたのは外部有識者のご尽力あってのこと。私が強く希望した」
東京五輪の強化費も含めて、JOCの国への依存度は年々、高くなっている。山下政権でもそれは続くのか。元JOC職員でスポーツコンサルタントの春日良一氏は言う。
「JOCが本当に必要としているのであれば、政府の力に頼ることもあるかもしれませんが、圧力に屈したり忖度したりしているのであれば問題です。こうやって官僚を招き入れることで、すっかりおかしくなったスポーツ界と政治のパワーバランスを変えないようにしているようにもみえる。外交が下手なら外務省の人間を呼べばいい、という発想があるうちは、いつまで経っても変わりません。JOCが自分たちで勉強し、次世代の人材を育てたりすることが重要です」