追放劇から1年 日本ボクシング連盟の“ドン”山根明さんは今
■ルーツは韓国。日韓関係について尋ねると…
さて、山根さんは1939年10月12日、大阪府堺市の米屋の長男として生まれた。
「ルーツは韓国で、父は日本、母は韓国で生まれています。父は商売の傍ら、憲兵の手伝いもしとったんです。それで先の大戦後、報復から母親と僕、妹、弟を守るため、母親の実家がある釜山へ逃がしてくれました」
だが、戦中戦後のドサクサで無国籍になってしまい、10代、20代の頃に日本への帰国の際、密航船を利用。それが発覚して、長崎県にある法務省管轄の大村収容所には3回入所している。正式に国籍を取得したのは80年4月だ。
「国籍うんぬんは、僕や両親がどうにかできることやないからね。日韓の難しい歴史に翻弄された、いうことや」
詳しい生い立ち、昨年の騒動の顛末は今年3月に上梓した「男山根『無冠の帝王』半生記」(双葉社)に譲るが、驚くべきは暴力団との関係も包み隠さず著していることだ。