CS争いでも忖度起用 プロ野球「引退試合」のバカバカしさ

公開日: 更新日:

「真剣勝負でお願いします」

 指揮官があえて真剣勝負を頼んだのは、CSのかかった試合で忖度が働きかねないという疑念があったからに他ならない。

「メジャーでは公式戦の最中に引退試合を行うことは基本的にありません」と話すのは、大リーグに詳しい野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏だ。

「デビッド・オルティスやデレク・ジーターのようなレギュラークラスでなければ、公式戦やポストシーズンでユニホームを着ることはないでしょう。試合に出る以上は、あくまで戦力になることが前提なのです。オルティスやジーターはシーズン前に引退を表明し、1年間かけてファンに挨拶する形をとりましたが、それも実績と実力があればこそ。1年間まったく活躍しなかった選手が出ることはあり得ません。メジャーの場合、公式戦前後や翌年のオープン戦、ファン感謝デーで引退のセレモニーを行うのが主流です」

 ワールドシリーズでMVPを獲得した松井秀喜でさえ、引退試合はなかった。引退から半年後にヤンキースと一日限定のマイナー契約を結び、セレモニーに出席。始球式でユニホームに袖を通し、現役生活に幕をおろした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…