南アに“ジェイミー流”で屈辱ノートライ W杯4強逃した背景
■ジョセフHCの課題と問題
この、苦しい選択を迫られた日本と、正面からの防御に集中した南アとの差が、11月2日の決勝戦に照準を合わせて大会に乗り込んだチームと、初めて8強に残ったチームの間に横たわる、高い「壁」なのだ。
しかし、ベスト4という夢はついえたが、日本の戦いぶりは十分に称えられるべきだろう。
ジョセフHCは就任時からこだわった“ジェイミー流”で結果を出せず、今年に入って選手たちを長期間の合宿で鍛え、ボールを継続する戦い方にシフトチェンジした。この転換が功を奏して日本中を熱狂させた快進撃が生まれたが、それが可能だったのは、日本に、パスでボールをつなぐ伝統が存在したからだ。こうした土台があったからこそ、フィジカルやセットプレーで負けなければ、強豪を立て続けに破ることができた。
そして、相対的に小柄な日本代表が懸命にボールをつなぎ、ひたむきにサポートに走るさまに、多くの国民が心を打たれたのである。
さて、続投が濃厚なジョセフHCは、「4強」が目標となる4年後のフランス大会に向けて、日本代表をどう強化するのか。本来、彼が志向する「フィフティー・フィフティー」のプレーを磨くべく舵を切るのか。それとも成果を残した“日本流”を見つめ直して強化をするのか。