南アに“ジェイミー流”で屈辱ノートライ W杯4強逃した背景
試合開始早々から、日本が仕掛けたアタックに首をかしげたファンも多かったのではないか。
南アフリカが蹴り込んだキックオフを確保した日本は、いきなり田村優が松島幸太朗にキックパス。2分には、いい形でボールをキープしたところで田村が右端に待つ堀江翔太に超ロングパスを放る。これがスローフォワードと判定されて南アボールのスクラムに。
南アは、そこからマカゾレ・マピンピが個人技で先制トライを奪った。
■キック多用、リスキーなパス
これまでの日本は、アイルランド戦でもスコットランド戦でも、リスキーなキックパスや長いパスを封印。短くパスをつなぎ、いくつもの密集を制して、我慢強く攻めるのが特徴だった。ところが、南ア戦ではそうしたプロセスを省き、いきなり遠くにボールを運んでミスから失点したのだ。
キックパスやロングパスでボールを一気に外に運ぶのは、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が就任以来こだわった戦い方だ。けれども2017年にアイルランドに連敗するなど、W杯まで一度も結果を出せなかった。だから、日本はリスキーなアタックを控え、相手防御に隙をつくり出すような戦い方を貫いて、勝ち進んだ。しかし準々決勝では、再びリスキーな戦い方に戻った。