汽車か戦車か W杯フィナーレを飾るラグビーソングの競演
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対するイングランドはお馴染みの「スイングロー・スイートチャリオット(Swing Low, Sweet Chariot)」である。
80年代後半からスタジアムで歌われるようになった。それにしても米国の黒人霊歌が、なぜイングランドのラグビーソングになったのか?
諸説あるが、結論は出ていない。テネシー州のフィスク大学が資金集めのために結成した合唱隊「Fisk Jubilee Singers」のレパートリーで、彼らは米国各地や欧州にも遠征していた。
オリジナルは、まだ奴隷制度が残る南北戦争後に生まれた曲で、労働の苦しみから「早く天国に召し上げてください」と神に懇願する内容だ。死の直前に天から「チャリオット(戦闘用馬車)で迎えに来てほしい」という歌詞になっている。
ベースには、旧約聖書の預言者エリヤの逸話が使われている。
信心深いエリヤは長く邪教と戦ったが、最後は神がつかわした「炎の戦車(チャリオット・オブ・ファイア)」に乗り、ヨルダン川東方から天使と天に昇っていく。