清原和博の表情は「微力ながら応援したい」と思わせた
球場入りしてからの清原は物静かだった。スポーツ紙によれば、彼が公の場でユニホーム姿を披露するのは、1406日ぶりのことだという。照れくさかったのだろう、緊張もしていたのだと思う。仲のいい大魔神と一緒にはしゃぐわけでもなく、ロッカールームではクールな印象だった。
それが、グラウンドに出てしばらくすると、パッと顔が明るくなった。ファンサービスのエキシビションとはいえ、4番打者として自分の名前が呼ばれると、一段といい表情になった。
試合の相手は小学生とはいっても、通常のマウンドの数メートル手前から投げるから、中には120キロ近い速球を投げるピッチャーもいた。清原の1打席目は詰まって一塁ファウルフライ。太鼓のように張り出した腹をゆさゆさと揺らし、いかにも体は重そうだったが、スピードやキレはともかく、スイング自体の形は往時とまったく変わらない。
■大魔神も立浪も
表情、バットスイングを見て、やっぱり清原は野球人だという思いを強くした。グラウンドが似合うし、ユニホームが似合う。それは、佐々木も立浪も一緒。引退後、指導者として現場に一度も立っていないというのは余りに惜しい。清原も7カ月後には執行猶予が終わる。罪を償えば、球界復帰に支障はない、というのが私の考えだ。あの日の清原の表情は、微力ながら、応援を続けたいと思わせるものだった。