スタメン起用してくれない 西本幸雄監督に投じた不信任票
私が好きな詩人サムエル・ウルマンの詩に、こんな一節がある。
人生のどんなところでも
気をつけて耕せば
豊かな収穫をもたらすものが
手の届く範囲にたくさんある
(作山宗久訳)
これまでの個人的な人生行路を振り返るとき、私はこのウルマンの詩を重ね合わせては、果たしてその通りの生き方をしてきたかどうかに、思いを巡らせることがある。
私の場合、自分の足元に広がる土壌の豊かさに気づかず、未来への欲求と不安に突き動かされるまま、なんと多くの時間を無為に過ごしてきたことか。
その点、かつて親しく交流させてもらったこの人の生き方は、私にとって貴重な人生の指針になるはずだった。13日、腎不全のため74歳で亡くなった「世界一の代打屋」高井保弘さんである。
高井さんは1964年、名古屋日産から阪急に入団した。ウエスタン・リーグでは本塁打や首位打者など打撃5部門をすべて制覇。計9回もタイトルを獲得したが、しばらくは一軍と二軍を往復する生活が続いた。