元阪急・高井保弘氏死去 代打HR世界記録生んだ5冊のノート
世界一の代打が天国に旅立った。
13日、元阪急の高井保弘氏が腎不全のため、西宮市内の病院で死去。享年74だった。
愛媛県出身の高井氏は今治西を卒業後、名古屋日産モーターを経て、1964年に阪急入り。二軍では首位打者、打点王、本塁打王などを獲得するも、一軍にはなかなか呼ばれなかった。それでも控えとして活路を見いだし、代打での通算本塁打27本は、いまだ破られていない世界記録となっている。
高井氏を取材したことがあるノンフィクションライターの織田淳太郎氏が言う。
「高井さんが代打として飛躍するきっかけになったのが、当時一塁のスタメンだったスペンサーです。試合中、スペンサーがベンチで相手投手のクセをメモする姿を見て、真似をするようになった。『どうせなら誰もやらないところまでやろう』と研究に研究を重ね、パ5球団の投手のクセを書いたノートは実に5冊。例えば、『江夏は振りかぶった時、グラブの土手が縮んで見えれば直球』など、普通は気付かないようなことまで事細かに書いていた」
偉大なる代打屋に合掌。