WSは5回制覇 秋山翔吾が入団する老舗名門球団レッズの正体
晴れてレッズへの移籍が決まった秋山翔吾外野手(31)。本拠地で行われた入団会見入団では、「日本人がメジャーリーガーとして在籍していないのは大きな魅力だった。素晴らしいプレゼンテーションをしていただいて、ここで戦いたいと思った」と決断の理由を明かしていた。そんな30球団で唯一、日本人選手が所属していなかった“老舗名門球団”とは一体どんなチームなのか? 熱いことで知られる現地のファン気質や、本拠地シンシナティの治安についても探った。
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【成績】
1881年創設のメジャー最古の球団はワールドシリーズを5回制した名門だ。1970年代中盤には名将スパーキー・アンダーソン監督のもと、ピート・ローズ、ジョニー・ベンチ、ケン・グリフィーらが名を連ねた打線は「ビッグレッドマシン」と恐れられ、75、76年には2年連続で世界一を成し遂げた。
2012年の地区優勝を最後に低迷が続いたものの昨季は地区4位で、4年ぶりに最下位を脱出。8年ぶりのポストシーズン進出を目指し、このオフは積極的な補強を敢行。秋山の他、昨季14勝の左腕マイリー(前アストロズ)、昨季35本塁打のムスタカス内野手(同ブルワーズ)ら投打の主力の補強に成功した。
「エース右腕カスティーヨ(昨季15勝8敗)を筆頭に、先発、リリーフとも安定した働きが見込めます。昨季リーグ12位(701)に終わった得点力さえ改善されれば、地区優勝は決して不可能ではないでしょう」(スポーツライター・友成那智氏)
【指揮官】
デービッド・ベル監督(47)は現役時代、マリナーズでイチローと同僚だった。イチローがメジャー1年目に米国を騒然とさせた三塁へのレーザービームを捕球したのが当時のベル三塁手だった。現役を引退後、監督を務めたマイナーでは機動力を駆使したスモールボールを展開。就任1年目の昨季は走塁の意識改革を図り、チーム盗塁数はリーグ6位の80個をマークした。
【期待値】
これまで30球団で唯一、日本人選手が所属しなかった球団も、近年は環太平洋地区でのスカウティングを強化。西武で4度のシーズン最多安打を記録した秋山には早くから興味を示し、台湾在住のスカウトを何度も日本に送って視察を重ねてきた結果が3年総額2100万ドル(約23億円)という評価につながった。地元メディアによれば「1番・中堅」での起用が有力視されている。
「昨季、1番に起用した選手はそろって出塁率が低く、機能しなかったため、秋山は1番打者としてチャンスメークを期待されるはずです。打席で粘って相手投手に1球でも多く投げさせ、なおかつ出塁する本来の1番としての働きを求められると思う。長打を狙うよりも単打を意識した打撃で、内野安打は30本、バント安打は10本、最終的に打率3割、10本塁打、60打点程度の成績を残すとみています。3、4番には一発のある打者が控えるだけに、秋山は110得点はマークするでしょう」(友成那智氏)