今季J1にVAR導入でも「誤審がなくなるわけではない」
■サッカーがどう変わっていくのか
さて……VARと聞けば、1月にタイ・バンコクで開催されたUー23(23歳以下)アジア選手権の準々決勝タイーサウジアラビア戦でサウジアラビアがPKを獲得したジャッジに触れないわけにはいかないだろう。
問題となったシーンを振り返ってみよう。
タイの選手がペナルティーエリアの外でサウジアラビアの選手のユニホームを引っ張った。最初は、ユニホームをつかんでいた手が相手の体から離れていたものの、ペナルティーエリア内では手が体に接触していた。
タイの選手がクリアしてサウジアラビアの攻撃は途切れたため、オマーン人主審はタイの選手の反則を認め、ペナルティーエリア外でのFKでリスタートしようとした。すぐに笛を吹かなかったのは「主審がアドバンテージを取った」と推測でき、反則のあった時点でのプレーの再開を選択したと思った。
記者席で見ながら「これはこれで正しいジャッジ」と納得した。