タイリーグ開幕現地行脚 男に惚れて女にキュンとなった夜
現政権が誕生した4年前から、彼らの肩身は実に狭いもの。しかし、彼らが鉾(ほこ)であり、盾に出来たひとつが、チームが多くの代表選手やスターを抱えて強かったからなのだが、近年は主力選手を日本や資金力のある国内クラブへ売却し、当時の風格はもはやない。
この日、BGのキャプテンは昨季大分でプレーしたティティパン。またムアントンUのキャプテンは、J移籍の噂が飛び交うサーラットだった。生え抜きのサーラットまでも売り飛ばしてしまったら、若手主体のチームはドツボにはまってしまいかねないだろう。
試合は“与野党ダービー”らしく序盤から激しく荒れた展開だった。
前半には、BGの若武者・シンガポール代表DFイルファン・ファンディが一発レッドで、後半早々にはサーラットがこの日2枚目のイエローで退場になってしまう。
腑に落ちない表情でピッチを後にするサーラットに「タン!(サーラットの愛称)」と呼び止めながら、彼のもとへ走り寄っていく選手がひとりいた。タイ代表では戦友のティティパンだ。