7月場所は名古屋から国技館に 開催地変更に2つのメリット
災いを転じて福となす、か。新型コロナウイルスの影響により、5月場所は中止。次の7月場所は開催地が名古屋から東京に変更になり、無観客が予定されている。
感染リスクを考えれば、開催地の変更も無観客もやむなし。少なくとも開催地の変更はプラスに働きそうだ。ある親方が言う。
「東京の夏は蒸し暑いけど、それでも名古屋に比べればマシ。よそにはない独特の暑さだから、体調を崩す力士もいる」
今年の7月場所は19日から8月2日まで。過去30年分の数値をもとにした気象庁のデータによれば、7月下旬の名古屋は平均気温27度台後半。東京は26度台半ばだ。その原因はフェーン現象。西の鈴鹿山脈から降りてくる暖かい風が流れ込み、気温を上昇させている。
気温にしてわずか1度強の差を、さらに拡大しているのが会場の設備だという。スポーツを担当する放送関係者は「地方場所は古い施設が多い」と、こう話す。
「名古屋場所を行っている愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)は、築50年以上。割と頻繁に改修工事を行っている国技館と違って、設備がとにかく古い。冷房は効きにくく、会場内の気温は高い。さらに調整が難しいのか、照明が強く、土俵がすぐに乾いてしまう。力士も口々に『滑るから、ケガをしそうで怖い』と話しています」