<2>19歳で日本代表デビューも「別に普通の試合と一緒」
反町監督率いる北京五輪代表では不動の右SBに君臨。日本代表の岡田武史監督(現今治代表)も「ボールの置き方に非凡なセンスを感じる」と高評価していた19歳の内田を08年1月のチリ戦で先発起用する。
「代表デビュー戦? 別に普通の試合と一緒でしょ。今日は何もしてないし」とチリ戦後の本人は落ち着き払っていた。
■ブレない庶民感覚
市川大祐(現・清水U―14監督)や小野伸二(現J2琉球)ら10代選手のA代表デビューを何度か見てきたが、あれだけ堂々とした若手はいなかった。A代表入りしてスターダムにのし上がった内田だが、ブレずに<庶民感覚>を持ち続けた。
某年某月。鹿嶋市内のファミレスでバッタリ会った時には、「お疲れさまです」と自ら挨拶してくれた。別の日、筆者が某メディアの鹿島担当を外れることを告げると、「これから仕事(減ってしまうけど)大丈夫?」と心配してくれた。
12年にドイツに赴いて単独取材に応じてもらい、カフェに同行した際には流暢なドイツ語でコーヒーを注文してくれ、会計も済ませてくれた。スマートな行動の中にも、一般の市井人としての優しさが感じられる内田スタイルは、大物になっても変わらなかった。サッカー選手としても人間としても、内田は本当に魅力ある男だった。