大関朝乃山が連敗発進…右四つ不発“歌を忘れたカナリア”に
文字通り、何もさせてもらえなかった。
14日、大関朝乃山(26)が隆の勝に完敗した。立ち合いで得意の右差しを狙ったものの、隆の勝にハズ押しで対抗されるとなす術なし。突進してくる相手を押し返せず、最後は土俵際で弓なりになってこらえるも寄り切られた。
取組が行われたのは、結びの一番の直前。負けて控えに座った朝乃山は唖然呆然。捨てられた子犬のような表情で、終始うつむいていた。
将来の横綱が期待される大関だって、初日から2連敗することはある。問題はその内容だ。
ある親方は「初日の遠藤戦はまだ擁護できる」と、こう話す。
「本場所直前に横綱2人が休場し、初日はいきなり結びの一番。しかも相手はそれまで4勝6敗と苦手にしていた遠藤だ。プレッシャーで思い通りの相撲が取れなかったのは理解できる。ただ、そこで気持ちを切り替えられなかったのだろう。初日を落として余計に勝ち星が欲しいと思うあまり、立ち合いから安易すぎる右差しを狙った。今や右四つは朝乃山の代名詞。その初手でもある右差しは隆の勝ならずとも、どの力士も例外なく警戒している。いわば、自分から罠に飛び込んだようなものです」