長嶋終身名誉監督が米国の子供は「英語がうまい」と驚いた
巨人の監督時代にも、報道陣にキャンプ終盤の選手の疲労を問われ、こう答えていた。
「そうですね、皆さんも疲れは早くテークアウト(take out)しないといけませんよぉ」
この言葉を聞いた報道陣は皆、首をかしげてしまった。
「テークアウト? 持ち帰る? 疲れはテークアウトしちゃまずいんじゃないの?」
「取り除くって意味でテークアウトって言ったんだろう。でも、わざわざ英語を使う必要あるの?」
1991年、東京で世界陸上が開催された。当時、長嶋氏は巨人監督を辞めて充電中。テレビ局のスタッフとして陸上短距離のカール・ルイスを取材し、顔見知りとなった。大会前、パーティーでルイスを見つけると、「ハイ、カール」と近寄り、そしてこう言った。
「How do you do?(初めまして)」
どうやら「How are you?(元気ですか?)」と間違えたらしい。
それでも通用したのは「ミスタープロ野球」なればこそだろう。来年、海を渡る日本人選手は長嶋氏よりも英語が上手に話せるだろうか。
▽富岡二郎=スポーツジャーナリスト。1949年生まれ。東京都出身。雑誌記者を経て新聞社でスポーツ、特にプロ野球を担当。