18番で日本人プロ3人ボギー…惨敗の原因はショットにあり
■パットではなくショットの問題
「18番グリーンが象徴的なのでパットばかり注目されますが、そもそもの敗因はショットにある」と評論家・菅野徳雄氏はこう続ける。
「岩田、谷原、大槻の3人は17番パー5でバーディーが取れず、精神的に追い込まれた気分になったはずだ。18番はパットで勝負できるホールではない。たとえグリーンを外しても、どこに置けばパーパットが打てるのかのマネジメント力が求められる。キムはピン手前カラーでしたが、岩田はグリーンを大きく左に外し、谷原はグリーン左サイドに乗っただけ。大槻は右に外した。ようするにパーを確実に奪うショット力の差が勝敗を分けたといえる」
カップは手前から10ヤード、右から5ヤードに切られた。ピン手前の狭いエリアがベストポジションであり、そこにボールを運べる力が日本人選手に欠けていたといえる。
昔、日本オープン2勝の小針春芳プロ(故人)は「フィニッシュを見ればボールがどこに飛んでいったかわかる」と言った。ところが最近のプロのフィニッシュは体にクラブを巻き付けるように勢いよく振り回しているだけで、「どこに飛んでいくかは、ボールに聞いてくれ」という荒っぽいスイングだといわれる。
「振り切る」と「振り回す」の違いがわからず、「ゴルフの世界に入って56年になるが、クラブは進化しているのに今のプロは技術が伴っていない」(前出の菅野氏)と批判する声が高まっている。