阪神藤浪5年連続減俸 損失取り戻すなら「リリーフ転向」を
「自分の中では先発以外は頭にない。先発で勝てる投手になりたい」
阪神・藤浪晋太郎(26)のセリフである。
16日の契約更改で300万円減の年俸6000万円でサイン。会見で改めて先発への強いこだわりを示したのは、阪神周辺でリリーフ転向案がくすぶっているからだ。
開幕二軍となった今季は8月に約2年ぶりの白星を手にしたものの、その後は球団ワーストとなる5回途中11失点の大炎上を演じるなどして、再び二軍に戻された。
「昨年までの3年間でわずか8勝に終わっていたこともあり、“もう再生は無理だ”という意見が大半だった。それが、阪神でコロナ集団感染が起き、手薄になったリリーフとして9月末に一軍に緊急昇格。自己最速を更新する162キロを記録するなど、復活の兆しを見せた。今季、先発した11試合の防御率が4・43だったのに対し、救援13試合では2・35。短いイニングで余計なことを考えずに腕を振るリリーフでこそ、あの圧倒的な球威がより生きる。制球難も落ち着いた。矢野監督は『来季は先発で』とは言っているが、リリーフなら戦力になるという声が多いのです」(阪神OB)
この5年間で年俸が1億1000万円も下がった藤浪。本人は「中継ぎをやって良くなったと言われるが、その前から良い状態だった」とうそぶいたが、球界での救援投手の評価、待遇が大きく改善された今、リリーフに転向した方が損失を取り戻すのは早そうだが……。