田中がスライダー投手に原点回帰 楽天復帰初年は結果優先
田中将大(32)が超高校級右腕として楽天に入団した14年前、当時の野村克也監督は「あいつは変化球投手や。真っすぐで空振りを取れない。本格派とは言えんやろ」と不満を漏らすことしきりだった。その後、田中は直球とフォークボールに磨きをかけて、2011年には241奪三振をマーク。14年にヤンキース移籍後も150キロ超の真っすぐと落ちる球を武器にメジャーの強打者から三振の山を築いた。
■OP戦2度目の登板は5回4安打1失点
その田中が8年ぶりに古巣に復帰し、14日のDeNA戦で2度目のオープン戦登板。5回を4安打1失点に抑え、「自分の中のテーマがうまくできた。一定の満足感はある」と話した。
初回の1死一、二塁と四回の無死一、三塁のピンチに落ち着いて対処。併殺を取りにいった四回は5番の宮崎を狙い通りに投ゴロに打ち取った。自らの二塁悪送球で失点し、再び一、三塁のピンチを招いたものの、6番の細川を遊ゴロ併殺に仕留めて傷口をふさいだ。
「気になったのは、ここぞというときに変化球を多投したことです。この日の球数は65球。そのうち直球は26球で、半分以上が変化球でした。そのうち15球がスライダー。前回登板6日の中日戦も全70球中、スライダーが実に23球だった。一方でこの日の最速は148キロで直球の大半が140キロ台前半だった。まだ日本のボール、軟らかいマウンドに完全に対応できていないこともあるのでしょうが、真っすぐのスピード不足を多彩な変化球で補っている印象です」
とは、ライバル球団の編成担当。田中も「ボクはもともとスライダー投手」と言っている。結果最優先とする復帰1年目は、打者をなぎ倒すような豪快な投球が影を潜めるかもしれない。