“親分の孫”野球エリート元慶大生 給付金詐欺で逮捕後の今
「グラウンドには銭が落ちている。人が2倍練習したら3倍やれ。3倍してたら4倍やれ。銭が欲しけりゃ練習せぇ」――。「鶴岡親分」の名で親しまれた名将・鶴岡一人南海ホークス(現ソフトバンクホークス)監督の“名言”だ。そんな努力を怠たり、詐欺に手を染めた孫の「裏切り」は、世間の注目を集めた。
元慶大生の鶴岡嵩大被告(22)が、国の持続化給付金をだまし取った詐欺容疑で島根県警松江署に逮捕されたのは今年1月のこと。鶴岡被告は昨年7月、共通の友人を通じて松江市内の男子大学生と知り合い、不正受給を“指南”。給付金100万円のうち20万円を「アドバイス料」の名目で受け取り、不正受給の総額は1000万円以上に上る。
「球界を代表する名将の孫」「父親は某スポーツメーカーの常務執行役員」「自宅は一等地の港区白金台」という、きらびやかな家柄。絵に描いたような「ボンボン」だが、不正受給の動機は「起業のために金が欲しかった」からだった。
鶴岡被告は中学時代には硬式野球で全国大会優勝、桐蔭学園高(神奈川)ではクリーンアップを務めた“野球エリート”。慶大でも体育会の野球部に所属したが、成績はイマイチ。3月に卒業を控え、卒業後は留学を希望していたものの、直前に退学処分となった。