稲見萌寧に協会からメダル報奨金1000万円 それでも“お釣り”が来る貢献度
稲見は高校時代、JGAナショナルチームに所属。男女問わず高校、大学生の有力選手を集めて育成、強化する“虎の穴”で、数々の有名プロが育っている。宮里藍や横峯さくら、片山晋呉らも、ナショナルチーム出身。最近では古江彩佳、西村優菜、安田祐香ら「ミレニアム世代」の台頭は、ナショナルチームでの経験が土台になっている。
JGAは2015年、東京五輪に向けた強化策の一環として、英国出身で豪州を拠点にプレーヤー、コーチとして活動しているガレス・ジョーンズ氏をナショナルチームのコーチに招聘。稲見はジョーンズ氏からグリーン・リーディングの技術などを伝授されている。
■強化費配分にプラス
しかし、JGAは五輪後、JOCからの強化費削減問題に直面する。
自国開催による潤沢な強化費がメダルラッシュを支えたが、今後は減額が決定的。JOCは今後、スポーツ庁から受け取る強化費の配分比率について、東京五輪の結果を考慮するとしている。JGAなど各競技団体は、スポーツ庁からの出資金の減額をすでに通達されているが、それでも稲見の銀メダル獲得が強化費配分にプラスになるのは間違いない。
「メダルの獲得によって確実に強化費が増えると約束されているわけではないが、増やしてもらうための実績は出つつあるし、期待はしている」とは、JGA関係者。
アマ選手育成の追い風になるなら、報奨金1000万円なんて安いものだ。