東京五輪でメダルを「手にした」稲見萌寧と「逃した」畑岡奈紗の大きな違い
米LPGAツアー4勝を挙げ、世界ランキングの日本人選手上位を守り続けてきた畑岡奈紗には、金メダルしか頭になかったはずだ。
今年は6月の全米女子オープンで笹生優花とのプレーオフに敗れはしたが2位。7月初めのマラソン・クラシック(54ホールに短縮)は初日から首位を守っての完全優勝と、東京五輪に向けて調子を上げていたからだ。
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畑岡は米国では専属コーチがいないようだが、昨年から元世界ランク1位のヤニ・ツェンやリディア・コのコーチだったゲーリー・ギルクリストのスイングチェックを受け、勝ったマラソン・クラシックではフェアウエーキープ率88%、パーオン率89%とショット精度が高かった。
五輪には万全を期して臨んだはずだ。
ところが、いざ蓋を開けてみるとショットが良くても、パットがなかなか入らない。7月に入って20グラム軽いセンターシャフトのパターに替えたら手がスムーズに動くようになり、ボールの転がりが良くなったというのだ。それなのに、五輪会場のグリーンではカップに届かないパットが目立った。強めに打つと、今度は返しが難しくなる。結局、最後まで納得のできないパットで終わってしまった。