女子バスケ「銀」宮沢夕貴<2>NBAスター選手との記念撮影にテンションが高まった
宮沢夕貴(28歳、女子バスケットボール、銀メダル/富士通レッドウェーブ・PF)
コロナ禍による緊急事態宣言下での異例の大会は、開幕前から何かと不自由な生活を強いられたという。
「合宿と合宿の合間のオフは、通常であれば友達と食事したり、旅行に行ってましたが、去年から周囲の目もあるので、どこにも行けませんでした。合宿中もNTC(ナショナルトレーニングセンター=東京・北区)の部屋に缶詰め状態でしたから、途中で一体、何をやっているんだろうなと思うこともありました」
今大会は新型コロナウイルス感染防止のほか、地の利を生かして選手村への入村を避ける競技が少なくなかった。女子バスケットボールも例外ではなく、大会期間中もNTCを拠点にしてきた。選手村には開閉会式に出席する際に立ち寄る程度だったという。
「長く滞在したわけではありませんでしたが、リオ五輪の選手村と違ったのは、みんなマスクをしていたり、テーブルが仕切りで区切られていたことでした。むしろNTCに滞在している時の方が厳しかったと思います。外出が制限されるのはもちろん、食事の時は自分が食べたいものを取るのにマスクと手袋をするなど感染防止が徹底されていました」
大会期間中、選手村で異文化交流を図るのが五輪の醍醐味のひとつでもある。
通常であれば、普段なら接点のない海外のアスリートと顔を合わせる機会もあるが、今回の選手村は国ごとに棟が分かれており、海外勢との接触は限られた。
「ドンチッチの隣を死守しました」
そんな中、開会式を前にした選手村で、NBAのスター選手と遭遇した。2018―19年シーズンの新人王でダラス・マーベリックスのスターであるルカ・ドンチッチ(22・スロベニア)だ。
「今回はドンチッチに会いたいなと思っていたんです。シュートがうまく、体の当て方も巧みだし、顔も格好いいし、かわいい。スロベニア選手団が開会式に向かうために集合していた時に見かけて一緒に写真を撮ってもらいました。周りにいた選手が『20ドル、20ドル』と冗談を言っていましたが、本人は『いいよ』と気さくに応じてくれました。本当はツーショットがよかったのですが、チームメート全員で撮ることになってしまったのでドンチッチの隣は死守しました(笑い)。ケビン・デュラント(ネッツ)ら米国代表の選手も見かけましたが、私はドンチッチが一番テンションが上がりました」
銀メダル獲得で、宮沢のSNSのフォロワー数は大会前の1万6000人から3万2000人と倍増した。女子バスケットボールへの関心も日増しに高まっている。
「Wリーグ(女子日本リーグ)はチームプレーの美しさが売りです。1人が動くことで他の選手がシュートを打つなどの連係を見てほしいです」(おわり)