横綱・照ノ富士が痛恨の2敗目…賜杯への欲と焦りで小結明生に敗れる

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 横綱といえども人の子──ということだ。

 20日、横綱照ノ富士(30)が小結明生に敗れ、2敗目。1敗で並走していた御嶽海阿武咲に敗れ、阿炎は2敗をキープ。3力士が2敗で争う展開となった。

 それにしても珍しかったのが、照ノ富士の相撲だ。これまではいかに攻め込まれても、前に出る時は腰を落とし、じっくりと相手を料理していた。

 それがこの日は明生の当たりで上体を起こされると、何かを焦ったかのように腰高のまま強引に反撃。両足が揃ったところで肩透かしを食ってつんのめり、土俵下に転落した。中継のアナウンサーも思わず、「あーっとっとっと!」と叫んだほど、見事に技を決められてしまった。

 明生は四つ相撲の力士ながら、強烈な当たりが武器。昨年9月場所も立ち合いで照ノ富士を押し込むと、下手投げで粉砕。その時の相撲が頭をよぎったのかもしれない。

「優勝争いも意識したでしょう。この日、照ノ富士は敗れた御嶽海と花道ですれ違い、その背中を無言で見送った。その時点で単独トップの1敗になり、『何としてでも勝たないと』と、欲が出てしまったのかもしれない。ただでさえ、照ノ富士は両ヒザにバクダンを抱えており、場所後半になるほど疲労やダメージが蓄積される。先場所以上に苦戦した取組も多く、『できれば時間をかけずに一気にカタをつけたい』のがホンネでしょう。そうしたもろもろが相撲に表れてしまったのではないか」(ある親方)

 土俵下に落ちた照ノ富士は左ヒザを気にし、数秒立ち上がれず。その後は慎重に歩きながら花道を下がった。

 21日の相手も立ち合いの一発がある隆の勝。賜杯の行方は混沌としてきた。

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