プーチン大統領に6段と紅白帯を授与 柔道の総本山「講道館」HPがナゾの“閲覧不能”に
柔道の総本山、公益財団法人「講道館」の公式サイトがトラブルに見舞われた。先週から突然、ホームページ(HP)が「閲覧不能」の状態になったのだ。
さる柔道関係者によれば、「ロシアのプーチン大統領との関係性が原因だともっぱらです。柔道愛好家のプーチン大統領は2000年の来日時に講道館を訪れ、道着に着替えて一本背負いなどを披露。その際、講道館は『講道館柔道6段』の段位と『紅白帯』を授与した。講道館のサイトのトップページには、創始者である嘉納治五郎先生の『自他共栄』『精力善用』の教えが掲げられている。ウクライナ侵攻でそれに反した独裁者の段位を剥奪すべきとの批判が出ているが、講道館は態度をハッキリさせていない。批判拡大を恐れ、自らHPを閉鎖したのではないか」という。
ロシアの侵攻が始まると、国際柔道連盟はプーチン大統領の名誉会長職を停止。テコンドーの国際統括団体も13年に授与した名誉9段の黒帯を剥奪し、国際オリンピック委員会はオリンピック功労賞を、国際水泳連盟は14年に付与した功労賞を撤回している。
段位剝奪については「慎重に検討中」
講道館に聞いた。
「先週金曜日(18日)に障害が発生してHPが閲覧できない状態になり、その日の夜に復旧したものの、またすぐに閲覧ができなくなった。原因は調査中。こちらからクローズしたわけではないのです」(総務部担当者)
侵攻以降、世界各国でサイバー攻撃が急増。日本でもトヨタの仕入れ先企業が被害に遭った。
「そうしたニュースを見聞きしているので、その心配もある。プーチン大統領との関係から、ターゲットになりやすいのかなと。そこについても(HPの管理会社などに)慎重に調べていただいているところです」(前出の担当者)
段位をめぐる抗議に関しては、「先週末の段階で、電話やメールなど全柔連さんと講道館でそれぞれ30件ずつほどいただいている」という。それでも剥奪はないのか。
「慎重に検討しているという段階です」(前出の担当者)
日刊ゲンダイが講道館に問い合わせた数時間後、閲覧不能状態が続いていたHPは突然、復旧した。