渋野日向子イーブン15位T発進も…全米女子プロ“真の敵”はタフなコースと同組の飛ばし屋
しかし、スイング改造に取り組んでいる渋野のドライバー平均飛距離は259.62ヤード(ランク67位)。距離の長いコースでは対応が難しい。そのうえ予選2日間は飛距離274.68ヤード(6位)のLPGAツアーきっての飛ばし屋L・トンプソン(27)と、同271.52ヤード(33位)のC・ハル(26)と同組だ。
試合前には「距離が長すぎる」(渋野)とボヤき、さらに目の前の2人に10ヤード以上も後れを取ったらスイングリズムも狂いやすい。
■今のスイングでは飛ばない
スイング理論に定評のある小暮博則プロが、「今の渋野のスイングでは飛距離が伸びない」とこう解説する。
「渋野は手が長く、ハンドダウンに構えてから、肩よりも低いトップ位置にむけてフラットにクラブを上げている。左手首を掌屈させてフェースが閉じており、クラブを左に振り抜けばターゲットより左にボールが飛び出す。なので左へのミスを嫌ってインサイドアウトのアッパースイングの傾向が強く見られ、左にクラブが振れていない。そのためヘッドスピードも加速せずにボールは飛ばない。ティーアップしたボールならうまく打てても、FWからのショットでは、ダウンブローで左に振り抜く必要があります。グリーン左サイドのピンに向かってアッパーに振り抜けばダフリのミスが出やすく、つま先下がりのライではボールにうまくコンタクトできない。左右どちらのミスも出やすい」