引退する羽生結弦は「一体何が凄かったのか?」…真の魅力に迫った伝説のエッセイスト
19日、動向が注目されていた、フィギュアスケート男子の羽生結弦(27)が、記者会見で競技からの引退とプロ転向を表明した。
羽生は2014年のソチ、2018年の平昌と冬季五輪で連覇の偉業を達成。北京五輪はケガの影響もあり4位で終わったが、その後も“現役続行”ともとれる発言があっただけに、競技の第一線から退くことで悲嘆にくれるファンは少なくない。
羽生はその表現や技術で独自の世界観を構築し日本のみならず魅了し続け、フィギュアファンの裾野を広げたと評価されている。だが、羽生の何が凄かったのかを的確に表せる人はそれほど多くないだろう。
■解説本は異例のヒット
“羽生人気”を表す1つが数多く出版されている写真集だが、羽生の魅力を独自の視点により活字で伝えた解説本があるという。「羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界」(18年)、「羽生結弦は捧げていく」(19年)(ともに集英社新書)は2冊合わせて8万部を突破し、ファンの間で話題になった本だ。
「こうした本が売れるのは非常に珍しく、異例のヒットです」(担当編集者)
なぜなら著者の高山真さんはいわゆる評論家やスポーツライターではなく、恋愛本などを執筆してきたエッセイストだからだ。
「ジャンプを何回跳べたか」の他に「美しい」「観客を引き込む」といった曖昧な感想に終始しがちなフィギュア自体についても、フィギュア観戦歴38年の高山さんは独自の観察眼と表現によって、専門用語とともにその動きや技術をわかりやすく解説。これが羽生ファンのみならず多くの人から支持されている理由とのこと。