著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

シャルケFW上月壮一郎が激白! 1年でドイツ5部→1部に上り詰めた若き新星の現在地

公開日: 更新日:

「目の前の試合で結果を残さないと話にならない」

 近未来の代表をつかみ取るうえで、代表キャプテン・吉田麻也と共闘できる環境は理想的。吉田も21歳だった2010年にオランダ1部のフェンロへ赴き、イングランドへステップアップ。イタリア、ドイツでプレーした。

 その生きざまから学ぶことは少なくない。

「麻也さんは完璧な先輩です。今まで出会った中で一番スゴい人。全てにおいてプロフェッショナルだと実感しています。フェンロ時代の話もいろいろ教えていただいた。今の自分がいかに恵まれているか分かります。身近に助けてくれる方がいるのは本当に有難いです」

 上月は2021年末の京都との契約が満了し、2022年1月にはボルシアMG入りが寸前になって破断した。翌2月にドイツ5部のアーレンに加わり、半年間のアマチュアチームでの苦悩……と若いながらも壮絶な経験をしている。

 ある意味、フェンロ時代の吉田以上に過酷な日々を過ごしたはずだが、先輩への感謝とリスペクトを忘れず、吸収できることは全てしようという謙虚さを持ち合わせている。そういう姿勢は、いつか必ず実を結ぶはずだ。

「僕の目標は(韓国代表FWの)ソン・フンミン(トッテナム)選手。左右どちらの足でもゴールを奪え、ゴールも決められる。ミドルシュートもあるし、ドリブルもできる。ホントに凄い選手です。昨季はプレミアリーグ得点王にもなりましたよね。アジア人(ストライカー)の可能性を証明してくれたし、僕も決して不可能ではないと思わせてくれました。自分もドリブルだけじゃなくて、やっぱり点を取ってこそ評価される。結果を残さないといけないと強く思っています」

 こう語気を強める上月が、ここからのリーグ終盤戦でゴールを量産すれば、シャルケが救われるだけではなく、自身の価値もグンと上がる。

 今夏にはドイツ上位クラブ、あるいはイングランドなどへの飛躍の道も開けてくるかもしれない。そうなれば、森保監督も彼を呼ばざるを得なくなるだろう。

 代表指揮官を振り向かせるだけの熱いパッションと飽くなき闘争心を持ち合わせている。それは短期間でここまで這い上がってきたことが証明している。

 今の勢いを逃す手はない。第2次森保日本のシンデレラボーイになれる可能性を秘めた逸材の一挙手一投足が大いに楽しみだ。

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