北青鵬治は抜群の才能を生かし切れていない白鵬の内弟子
北青鵬治(21歳・宮城野部屋・前頭15枚目)
素質・才能だけでどこまで通用するか……。
入門当初から身長が2メートル近くあり、「怪物級」と前評判が高かった横綱白鵬(現宮城野親方)の内弟子。生まれはモンゴルだが5歳で札幌に移住。札幌巡業中の白鵬と出会って相撲に興味を持ち、後に韓国の仁川空港で再会した時も、「相撲をやらないか」と誘われた。
「白鵬は相撲強豪校の鳥取城北を紹介。北青鵬がまだ小学生の頃に、鳥取城北で使っているまわしを自宅に送り届けるなど、当時から勧誘に熱心でした」
とは角界関係者。小学校を出ると、鳥取市立西中学校に進学。中学校から目と鼻の先にある鳥取城北相撲部の寮に住み込み、通学していたという。
中学相撲部の稽古が厳しくて、一度札幌に逃げ帰ったこともあったが、白鵬に「相撲で親孝行しなさい」と説得され、再び相撲に励んだ。
上背とパワーを生かした四つ相撲が持ち味だが、では上位間違いなしかといえば、そうでもないようだ。
「背が高いので、腰を下ろさずとも相手の肩越しから強引にまわしを掴めてしまう。しかし、ヒザへの負担が大きく、すでに右ヒザを痛めていますからね。そんな取り口もあってか、立ち合いも、ただ上にすっと立つだけのことが多い。これは入門時から指摘されており、親方衆の間でも『あれで腰が下りたら、ものすごい力士になるのに』と言われているほどです。これまでは素質だけで勝ってきたようなもので、実際、素質だけで勝てていましたからね」