霧馬山、豊昇龍、若隆景…大関昇進レースで関脇三すくみから抜け出すのは誰だ?
12日に始まる大相撲3月場所。横綱照ノ富士が4場所連続休場となり、先場所Vの大関貴景勝は綱とりに挑む。仮に今場所後に貴景勝が昇進なら、大関はゼロとなる異常事態。そこで期待されているのが、今回で4場所目となったお馴染みの関脇トリオ、霧馬山(26)、豊昇龍(23)、若隆景(28)である。
そろそろ誰か大関に昇進してほしいものだが、この3人、それぞれの対戦成績は面白いように三すくみになっている。
霧馬山は若隆景に8勝5敗と勝ち越しているが、豊昇龍には不戦勝を除けば4勝6敗でもっか3連敗中と、いささか分が悪い。霧馬山に強い豊昇龍は、若隆景戦は3勝8敗で3連敗中とサッパリ。若隆景は豊昇龍に強く、霧馬山に弱い……という図式なのだ。
四つで堅実な取り口の霧馬山に、爆発力のある豊昇龍。そして、低い姿勢から徹底的に攻める若隆景。誰が大関レースを制するのか。
親方のひとりが言う。
「まず、若隆景は序盤の連敗癖がネックです。エンジンがかかるのが遅いのか、相撲勘を取り戻すのが遅いのか……。後半で連勝したのに、トータルでは勝ち越しがやっと、というケースが少なくない。序盤に安定して勝てるようなら、とっくに大関になっていましたよ。豊昇龍は性格的にもハングリーで、上昇志向も一番強い。1勝に対する執念は凄まじい反面、目先の一番に勝ちたいあまり、奇策や強引な取り口で墓穴を掘ることもしばしば。急がば回れではないが、正攻法で確実に力をつける必要がある」