エ軍にサイ・ヤング賞右腕加入の噂も…大谷中心の6人ローテが大物獲得の障害になる皮肉
トレードデッドライン(日本時間8月2日)まで約1カ月と迫り、移籍市場が騒がしくなってきた。
日本時間29日付の大リーグ公式サイトによれば、メッツのエース右腕でサイ・ヤング賞3度のマックス・シャーザー(38)が、契約に盛り込まれたトレード拒否条項を放棄する意向を明かしたという。
メ軍は昨オフ、千賀滉大(30)を5年約110億円で獲得するなど大型補強を行い、年俸総額が約516億円と史上最高額に達しながら、開幕から不振。首位ブレーブスと17ゲーム差のナ・リーグ東地区4位と低迷している(29日現在)。
地区優勝は絶望的で、ベテラン右腕はポストシーズン進出の可能性を残すチームへの移籍を希望し、地元メディアなどによれば、エンゼルスも移籍先候補の一つだという。
21年にメッツと3年総額約149億円(3年目は球団と選手双方に選択権)で契約したシャーザーの今季年俸は投手史上最高額の約49億3000万円。米メディアによれば、トレード期限最終日にシャーザーの移籍がまとまった場合、獲得した球団は約20億円の年俸負担で済むという。
シャーザーはナショナルズ時代の19年に世界一に貢献するなど経験、実績とも豊富。若手有望株を放出してこのベテラン右腕を20億円で獲得できるのであれば、先発陣が手薄で、14年以来9年ぶりのポストシーズン進出を目指すエ軍にとって決して高い買い物ではない。
今夏のトレード市場ではカブスの右腕ストローマン(9勝5敗、防御率2.47)、左腕スマイリー(7勝5敗、同3.96)、ホワイトソックスの右腕ジオリト(6勝5敗、同3.53)ら多くのエース級の名前が放出候補に挙げられているが、エ軍は夏場の補強で苦戦しかねない。大谷が中心の6人ローテが障害になるからだ。