大関取りの大栄翔“後輩大関”の二の舞い不安も 押し相撲→四つ相撲なら長い活躍目指せる
星勘定で言えば、もっとも大関に近い力士だ。
3力士による大関とりが話題の7月場所(9日初日)。直近2場所は豊昇龍と若元春が21勝、大栄翔(29)は22勝なので、大関昇進目安の「三役で3場所33勝」まで残り11勝だ。
しかし、昇進した場合は大きな懸念がある。大栄翔といえば回転の速い突き押しが武器。押し相撲といえば埼玉栄高の後輩大関、貴景勝もそうだ。こちらは頭からぶつかる強烈な当たりが持ち味だったものの、ヒザやクビのケガで勢いは鳴りを潜め、先場所は6度目のカド番を脱出したばかり。立ち合い変化も多く、すっかり「ダメ大関」と化してしまったが、大栄翔は大丈夫なのか。
ある角界OBは「もちろん、その心配はある」とこう続ける。
「大栄翔は大関にふさわしい力があるとはいえ、長くその地位を張るとなると、話は変わってくる。四つ相撲の力士は不調でも自分の型に持ち込んでしまえば何とかなるが、押し相撲はそうはいかない。押しきれずに組まれたら何もできません——ではカド番の常連になるだけです。ただ、大栄翔に四つ相撲ができないかといえば、それは違うと思う」