栃ノ心が“ジェットコースター”の土俵人生に幕…「ケガ↔陥落↔返り咲き」繰り返した17年
苦労人の元大関が引退を発表した。
怪力で鳴らしたジョージア出身の栃ノ心(35=東十両5枚目)が、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)と会見を行い、「自分の力が出せず、相撲を取るのが怖くなってしまいました」と土俵に別れを告げた。
17年間の相撲人生は、まさにジェットコースター。2006年3月場所で初土俵を踏み、08年5月場所で新入幕を果たした。10年7月場所で初の三役昇進(小結)。将来を期待されたが、ここから波乱の連続だった。
親方からの暴行騒動、自身の素行不良による謹慎、そして、怪力が故の大けが……。13年9月場所で十両陥落、その後は幕下55枚目まで落ちた。
「何度もケガがあっても乗り越えてきた」
会見で本人が言ったように、ここから奇跡的な復活。18年初場所で涙の幕内初優勝、その年の7月場所で大関にまで這い上がったものの、またもケガに泣かされた。
在位5場所で大関から陥落。すぐに返り咲いたが、今度は2場所で再び関脇に落ちた。今年の3月場所で十両に陥落し、十両5枚目で臨んだ今場所は初日から6連敗。1月場所で負った左肩脱臼が致命傷となり、引退を決意した。
日本国籍を取得しておらず、相撲協会には残らない。今後はジョージアと日本を股にかけ、貿易商に転身するプランがあるという。