激戦必至の名古屋場所で3関脇を迎え撃つ横綱の覚悟 大関トリプル昇進どころか全滅もあるぞ
灼熱の名古屋を制するのは誰か。
7月9日に初日を迎える大相撲名古屋場所。真夏の開催とあって体調管理が難しく、3月の大阪場所と並んで「荒れる場所」と呼ばれている。昨年も平幕の逸ノ城が初優勝。2020年もケガと病気で序二段まで落ちていた照ノ富士(31=現横綱)が平幕で久々の復活Vを果たした。
今場所は若元春(29)、豊昇龍(24)、大栄翔(29)の3関脇による「大関トリプル昇進」が話題になっている。それぞれ直近2場所は21勝、21勝、22勝。大関昇進の目安は「三役で3場所33勝」なので、ノルマは11勝か12勝だ。
過去、大関トリプル昇進はなく、ダブルは昭和以降で8例。それも1994年の貴ノ浪、武蔵丸を最後に29年間出ていない。可能性はゼロではないものの、3人同時は極めて難しいだろう。
親方のひとりは「果たしてダブルもあるかどうか」とこう続ける。
「謹慎明けの元大関・朝乃山は現在は前頭4枚目。確実に三役と当たる地位ですからね。霧島も新大関としてみっともない姿は見せられないだろうし、何より最大の壁となるのが照ノ富士です。先場所は4場所ぶりの出場で優勝。ヒザの状態が気がかりで、『2場所連続皆勤できるかどうか』と言われているが、今場所前は巡業がなかったので治療と稽古に専念できたはず。小結の琴ノ若や阿炎も強敵ですからね。今は照ノ富士をのぞけば上位陣の力は拮抗しており、激戦は必至です。大関昇進ゼロに終わっても驚きませんよ」