エ軍オーナーが大谷のトレードを逡巡する「100億円問題」 “カネのなる木”放出なら経営大打撃
トレード騒動が過熱するエンゼルスの大谷翔平(29)。ア・リーグ東地区で首位争いをするレイズとのトレードが浮上するなど、何かと周囲はかまびすしい。
エンゼルスは日本時間20日、ワイルドカードを争うヤンキースに3連勝。大谷はこの3連戦、1本塁打を含む8打数4安打3打点の大活躍。依然としてプレーオフ進出は厳しいと言わざるを得ないが、投打二刀流で獅子奮迅の働きを見せている。
エンゼルスがそんな大谷の恩恵を受けているのは、戦力面にとどまらない。
「大谷を支援する多数のスポンサーが経営面にも大きく寄与しています」
とは、在米メディア関係者。
「大谷の今年の広告収入はメジャートップの3500万ドル(約49億円)といわれる。今回のヤンキース3連戦では、大谷と個人的にスポンサー契約を結んでいるバンテリン、ヤマダイ食品といった日本企業がバックネット裏の回転看板広告を出した。広告料は球団によって違いますが、エンゼルスタジアムは半イニングあたり800万円程度といわれています。球団は1試合(18回)につき約1億5000万円を得る計算になるが、多くは大谷目当ての日本企業が出資しています」
米調査会社の「スポンサー・ユナイテッド」が昨年10月に発表した「MLB2022 Marketing Partnerships Report」によると、大谷のスポンサーはメジャートップの17社に上り、22社もの日本ブランドがエンゼルスタジアムに出資したという。大谷効果は絶大である。
今季の大谷はWBCを皮切りにシーズンも本塁打王争いでトップを走るなど大活躍。5月には新たに日本の準大手ゼネコンのインフロニア・ホールディングスがエンゼルスとスポンサー契約を締結。球場の駐車場にLAに支店を持つ仙台の牛タン専門店が広告を出すなど、エンゼルスのフトコロは潤う一方だ。
「球団の年間収入は3億ドル(約420億円)を超えるとみられますが、スポンサー収入やチケット収入を含めて、大谷ひとりでエンゼルスに50億円程度の実入りをもたらしているとみられています。有形無形含めた経済効果は、100億円は下らないでしょう」(同)
そんな「カネのなる木」を手放すことになれば、エンゼルスの経営面に与える打撃はとてつもなく大きい。
仮に大谷がトレードで他球団に移籍した場合、スポンサーはどう対応するのか。
2019年からオフィシャルスポンサーを務める三菱UFJ銀行に問い合わせると、こう回答した。
■三菱UFJ銀行「いていただければありがたいですが…(笑)」
「エンゼルスのユニホームは、弊社のコーポレートカラーと同じ赤なので、エンゼルスにいていただければありがたいですが……(笑)。移籍すれば、それに伴いポスターなどの作り直しは必要になりますが、弊社はあくまで大谷翔平選手個人と契約しておりますので、大谷選手が移籍したからといって契約を解除することはありませんし、今後に影響はないと考えています」(広報担当)