著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

「和製ハキミ」毎熊晟矢は無印・大卒選手の先輩である伊東純也のようにブレークして欲しい

公開日: 更新日:

「自分の理想は内田篤人さん」

 2023年の日本代表にとって最大の注目シリーズだった9月のドイツ、トルコとの2連戦で初招集された際には、チームの先輩である元代表10番・香川真司に「セレッソでやっているような感じでやれば絶対に大丈夫」と背中を押されたという。

「自分の強みは攻撃面。中でも外でもプレーができると思っている。組む選手によって自分は使い分けができますし、相手にとってより怖いペナルティエリアに入っていくこともできる。そのクオリティーを意識しつつ、代表でアピールしていきたい」と合流時にも意欲を口にしていた。

 トルコ戦の毎熊は、まるでJリーグの試合に出ているようにスムーズな位置取りと攻撃参加を見せていた。そのクレバーさに森保監督も、改めてほれ込んだ様子だ。

「自分の理想は内田篤人さん(JFAロールモデルコーチ)。頭が良くて、攻撃時のオーバーラップのタイミングも凄く良かったし、守備のポジショニングとかも本当に際立っていた。ああいう選手になれれば、相手にとって嫌な存在になれる」とも毎熊は語っていた。

 確かに彼は屈強なフィジカルを武器とする酒井宏樹(浦和)のようなタイプではない。判断力や戦術眼を磨いていくことで、内田に近づくことができるはず。それが代表生き残りへの近道である。

 ライバルの菅原由勢(AZ)はオランダで5シーズン戦っており、欧州のELやECLなど国際経験も豊富。年代別代表経験が皆無の毎熊にとって高いハードルではあるが、25歳を過ぎて急成長した伊東純也(スタッド・ランス)のような例もある。 同じ無印・大卒選手の毎熊は偉大な先輩に刺激を受け、ここからブレイクしていけばいいのだ。

 今回の2連戦で遅咲きの男が真価を見せてくれるのか、その一挙手一投足が楽しみだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…