島津海は「南国の叩き上げ」…12年前に入門し27歳で新入幕、ようやく花開く
島津海空(27歳・放駒部屋・前頭17枚目)
年齢を考えれば、むしろこれからの力士だ。
入門は12年前の2012年。相撲の盛んな種子島に生まれたものの、中学時代はバスケに熱中するなど、当初はプロ入りには興味がなかった。
しかし、父の知り合いで、当時「松ケ根」を襲名していた元大関・若嶋津と出会って人生が一変。大相撲に惚れこみ、中卒で若嶋津が師匠を務めていた松ケ根部屋(現放駒部屋)に入門した。
前相撲から始め、17年に幕下に昇進。この頃、若嶋津から勧められた「もろ差しの速攻相撲」が島津海の相撲の基本となっている。
「性格は明るく、南国育ちの楽天家。ただ、張り切り過ぎるのが玉にきずです。幕下時代、『もうひと頑張りで十両に昇進できる』という状況で、2回、右ヒザを負傷し、チャンスをフイにしている。やる気を出し過ぎて、稽古で無理をしたのが原因です。22年の十両昇進は三度目の正直だったんです」(タニマチ筋)
それでも十両は約2年で通過。体を一回り大きくしながら、それでいてスピードが落ちなかったことが要因だ。