令和の三四郎も泣かされた「疑惑の判定」と「負のジンクス」…柔道90キロ級・村尾は悔し涙の銀
【パリ五輪】男子柔道90キロ級
「令和の三四郎」が最後の最後で涙を飲んだ。
初戦から3試合で一本勝ちして決勝に進出した村尾三四郎(23)が、東京五輪覇者のラシャ・ベカウリ(ジョージア)に敗れて銀メダル。「悔しさしかありません」と声を詰まらせた。
世界ランク1位のベカウリはジュニア時代から鎬を削る同学年のライバル。過去3戦3敗の因縁の相手に、先手を取ったのは村尾の方だった。
開始1分、谷落としで技あり。すくい投げで技ありを奪い返されたが、残り30秒に炸裂した内股で合わせ技一本! と思われた。が、女性主審はポイントなしの判定。テレビ中継で解説を務めていた五輪連覇の大野将平氏が「ほぼ技ありだったと思う」と首を傾げ、畳の横では日本のコーチが両手を上げてアピールしたものの、映像確認すらなくポイントは認められなかった。
そして終了間際、村尾の小外刈りからの谷落としに対して、ベカウリが小内刈りで応酬。両者が倒れ込む微妙な判定は、映像確認の末にベカウリの技ありが認められ、村尾の敗戦が決まると、場内からは大きなブーイングが起きた。
またぞろ表面化した「疑惑の判定」だが、90キロ級は16年リオ五輪を制したベイカー茉秋以降、日本勢は五輪と世界選手権で頂点から遠ざかっている鬼門の階級。金メダルを期待された「令和の三四郎」もまた、負のジンクスを打ち破れなかった。