露呈した日本男子バレーの限界 監督退任で遠のく悲願…イタリアに「あと1点」から急転直下
【パリ五輪】男子バレーボール
まさに死闘だった。
1972年ミュンヘン大会以来52年ぶりの金メダルを目指した世界ランク6位の日本が昨5日、決勝トーナメント初戦の準々決勝で同2位のイタリアと対戦。大逆転負けでメダルの夢がついえた。
■ 高さに屈し、まさかの大逆転負け
1次リーグでは不調だったエースの石川祐希(28)が大一番で存在感を見せた。第1セットは14-12から石川のスパイクなどで6連続得点。西田有志(24)がブロックアウトを誘ってセットポイントを奪うと、最後はイタリアのサーブがアウトとなり25-20で先取した。第2セットも連取し、第3セットは24-21とマッチポイント。ストレート勝ちを目前にしながら、ここから4連続失点で25-27と押し切られると、試合が暗転する。
第4セットも奪われ、迎えた最終第5セット。日本は先にマッチポイントとなったが決め切れず。逆にイタリアにマッチポイントを握られ、15-17で大逆転負けとなった。
どちらに転んでもおかしくない紙一重の激闘の中で、両チームの差は「高さ」だった。ブロックによる得点は日本の2に対してイタリアは15。日本は石川、西田、山内晶大(30)、関田誠大(30)、高橋健太郎(29)、高橋藍(22)に、リベロの山本智大(29)を含む7人が先発。平均身長は188.3センチ。イタリアのスタメンは198.9センチと10センチも上回っていた。最終的に高さに屈した格好である。
日本のフィリップ・ブラン監督(63)は試合後、「このチームを率いるのは最後なので非常に悲しい。もう少しで取れそうな試合展開だったので悔いが残ったが、やってきたことは間違っていなかった」と目を赤らめながら振り返り、選手たちに胴上げされた。韓国のクラブチーム、現代キャピタルの監督に就任することが決まっている。