DeNAは強力打線を生かすも殺すもベンチ次第
セ・リーグは首位巨人から4位DeNAまで4.5ゲーム差にひしめく大混戦だ。2位広島と1ゲーム差の巨人は、10日から1勝4敗2分けと苦手とする敵地マツダスタジアムで直接対決。3位阪神もDeNAを甲子園で迎え撃つ。四つ巴の争いを演じる各チームの泣きどころは──。(DeNA編)
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リーグトップのチーム打率、本塁打数、総得点の強力打線を武器に3強を猛追する4位のDeNA。首位巨人に4.5ゲーム差と大逆転のハードルは低くはないが、「あの『番長一喝事件』から明らかにチームの雰囲気は好転した」と球団OBがこう続ける。
「先月27日の阪神戦で降板を拒否したリリーフのウィックに対し、三浦監督がマウンド上で『チェンジ!』と鬼の形相で怒鳴りつけた一件です。温厚な三浦監督の感情的な姿にチームが締まって阪神に連勝。上位球団に勝ち越すのは10カードぶりのことでした。あの一喝以降、6勝1敗と効果は大きかったが、ウィックの伏線は2日前に同じ助っ人のケイを勝ち投手の権利目前の五回2死で降板させたことにある。5点のリードがあった場面ですから、ウィックが交代指令にナーバスになった気持ちも理解できる。つまり首脳陣の判断が引き起こした“造反”でもあるわけです」