「逃亡者」新堂冬樹著
■ジッポーを拾ったばっかりに…
早朝、若手芸人の黒崎は、愛犬の散歩中に憧れの「クロムハーツ」のジッポーを拾い、持ち帰ってしまう。夕方、黒崎が仕事を終えて帰宅すると部屋は、嵐が過ぎ去ったような惨状だった。おまけに黒崎の帰宅を見計らってヤクザ風の3人組まで現れる。間一髪逃げ出し、数時間後に帰宅すると、部屋の中で大家が死んでいた。公安警察を名乗り携帯電話にかけてきた男は、殺人犯にされたくなければ、指定の場所に来るよう黒崎に命じる。一方、ヤクザの方は黒崎のマネジャーの志水を人質にして接触を図ってくる。追い詰められた黒崎は拾ったライターの中に隠されたマイクロチップの存在に気づく。
ノンストップ長編ノワールサスペンス。
(角川春樹事務所 1600円)